JR-100: ビデオ信号の解析

ビデオキャプチャボードGV-USB2でJR-100のビデオ出力信号がキャプチャできず(関連記事)、なんとかならないかと考えています。JR-100のビデオ出力にカラーバーストが含まれていないからと予想しましたが、そもそもどんな信号が出力されているのかを検証してみようと思います。

まず水平1ライン分の信号はこんな感じでした。画面全体を■文字で埋め尽くしています。つまり描画領域はすべて「白」レベルとなります。以前別記事で計測したときは電圧レベルが200mVp-pでしたが、今回は約2Vp-pでした。前回はプローブの設定を1:10にしていただけかもしれません。。。

通常のNTSCでは水平同期信号は4.7μsですが、JR-100では9.05μsもあります。また1ライン分の時間も通常は63.56μsのところが62.5μsで、16%ほど短いです。こんなのでいいのだろうか。左右の余白部分は左側の方が右側より1.5倍くらい長いですね。実際に画面全体を■で埋め尽くした画面をデジカメで撮ったらだいたいそんな感じでした(ピンぼけなのはご勘弁)。

さて次は垂直同期部分を見てみます。

1フィールドの時間は16.02msなので、垂直同期周波数は62.4Hzとなります。これもモノクロNTSC規格での60Hzからずれてます。
垂直同期部分を拡大すると、垂直ブランキング期間にあるはずの等化パルスや切り込みパルスが出力されていません。ただこれらのパルスは無くても一応たいていのテレビでは映るらしいのでそれほど問題ではないのかもしれません。

さてドットクロックはどうだろうか。JR-100の市松模様の記号(文字コード$4C; 8×8のビットパターンが黒・白の順に並んでいるやつ)を表示して計測してみます。

50周期分の波が100ドット分を表すので、100ドットで13.9688μs、つまり1ドットで1.397μs/dotです。あ、画像中の単位が間違っている(μs/sってなんだ)。周波数換算すると7.15881MHzです。JR-100の基準クロックは14.31818MHzの水晶振動子ですが、このドットクロックはほぼ基準クロックの1/2です(誤差0.004%)。
これはつまり、1フィールドの時間や1ラインの時間がNTSC規格からずれているのはクロック周波数が不正確なのではなく、わざとずれたものを使っていることを意味すると考えられます。

そこでこれまでの結果をまとめてみました。

項目 JR-100 モノクロNTSC規格
垂直同期周波数(fV) 62.4Hz 60Hz
水平同期周波数(fH) 15979.5Hz
(256×fV)
15750Hz
(262.5×fV)
 ドットクロック(fD)  7.158790MHz
(448×fH)
 –

1画面のライン数は規格よりも少な目で、1フィールド当たり256本しかありません。JR-100の同期信号を生成しているのはMB14392というカスタムLSIなのですが、実装を簡単にするために256というキリのいい数値を選んだのかもしれません。

それにしても規格からは大きくずれていてもブラウン管時代のテレビでは映るのですね。よく同期が取れたものだと思います。

GV-USB2でJR-100のビデオ信号がキャプチャできないのは、カラーバーストが無いからとかいう以前に、普通ではない信号が入力されて同期がとれてないだけのような気がしてきました。ちょっと作戦を変えようと思います。

投稿者: けむしろう

プログラミング、サーバ構築、電子工作、旅行が好きです。

「JR-100: ビデオ信号の解析」への6件のフィードバック

  1. こんにちは。細かい解析お疲れ様です。
    やはり、総垂直期間は256Hでしたか…。当時は262Hではなく256Hで出力するマイコン・パソコンがあったので、もしやとは思ってました。
    でもせっかくLSI化してるのにFF一個分くらいけちらなくても…とも思いますけどね(笑)。

    水平の方は予想の456を外しました:448ですから1キャラクタ分足りないですね…。
    恐らく総水平期間のキャラクタ数を偶数にしたかったのでしょうね。

    1. カスタムLSIにFF追加するとどれくらいコストが上がるんですかね…。
      JR-100以外にも256Hのマイコンやパソコンがあったのですね。何の機種でしょう?
      黎明期のマイコンやテレビゲームだと結構割り切りがありそうな気はします。
      448の方は理由がよく分からなかったのですが、キャラクタ数を偶数にしたかったというのはあり得そうです。

      1. ちょっと機種までは手許に資料がないので確かな事は言えませんが、昔の雑誌記事で、そういう記述を見た記憶があります。ビデオ回路が生成するアドレスをDRAMのリフレッシュと兼用にしている場合、256Hの方がタイミング設計上も楽ですしね。

        1. なるほど。作りの都合でそうなっているのですね。私の間隔だと(仕事上のこともあって)、少なくとも大手の企業が作る製品なら規格に厳密に従おうとするものだと思っていましたが、意外とそうでもないことが分かりました。逆にどこまでさぼっていいかを知ったうえでやっていたのかもしれませんけど。

          1. 逆に、総合家電メーカーだと、「自社のモニターでなら正常に表示されます」ができちゃいますしね。

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