玩具メーカーであるTOMYが昭和57年頃に発売したマイコンである。発売の正確な年代は把握していないが、付属のオペレーションマニュアルは昭和57年発行になっている。おもちゃマイコンと簡単に馬鹿にしてはいけない。CPUはTexas Instrument社の16bit CPUであるTMS9995である。また日本語BASIC「G-BASIC」を搭載していることも特徴である。なおG-BASICの「G」はグラフィックの頭文字で、グラフィックを動かす命令語が強化されていることから名づけられているようです(オペレーションマニュアルの巻末の用語解説より)。BASICのコマンドをほぼそのまま日本語(カタカナ)に変換しただけだが、日本語交じりのプログラムリストは意外と読みやすい。 ジョイコントローラが付属しているのがいかにもゲームメーカーの製品らしい。
目次
ハードウェア仕様
構成部品
CPU | TMS9995NL (16bit CPU) |
RAM | TMM4116P-3 × 8 (16KB) |
ROM | ? (シールが上から張ってあり型番不明) マニュアルでは20KB |
VDP | TMS9918ANL |
DCSG | SN76489AN |
その他、TTLが11個という、非常にシンプルなつくりになっている。
VDP: Video Display Processor
DCSG: Digital Complex Sound Generator
ソフトウェア仕様
G-BASIC(日本語BASIC)について
主なBASICのコマンドとG-BASICの対応表をあげておきます。基本的には英語コマンドをそのまま日本語に変換したものになっています。コマンドの先頭が数字(行番号)だった場合、次にくるのが「ニイケ」か「ヲヨベ」ですが、このコマンドを読み込むまで実行するコマンドが確定しない(行番号をどこか大域的な領域に保存しておかなければならない)のがちょっと弱いところです。
英語BASIC | G-BASIC |
LET x = y | シキ x = y |
PRINT X | カケ セル番号, X |
END | オワリ |
GOTO 行番号 | 行番号 ニイケ |
FOR I = A TO B STEP C NEXT I | マワレ 行番号 I = A カラ B カンカク C トジル |
IF 条件式 THEN 行番号 | モシ 条件式 ナラバ 行番号 ニイケ |
STOP | トマレ |
GOSUB 行番号 | 行番号 ヲヨベ |
RETURN | カエレ |
RND(上限値) | ランスウ(上限値) |
LOAD | ロード |
SAVE | セーブ |
VERIFY | カクニン |